画像で"答え"を出す会社

ニュース

夏の現場安全管理を高度化
~ GPSクラウドによるWBGT暑さ指数のリアルタイム監視とは ~

2026年5月5日|技術コラム

はじめに

毎年5月から9月にかけて、建設現場や製造工場では熱中症リスクが急激に高まります。

厚生労働省の統計によると、2024年の職場における熱中症による死亡者数は22名、休業4日以上の死傷者数は1,118名に上り、その約7割が建設業と製造業で発生しています。

熱中症は単なる「気温」では判断できません。湿度・輻射熱(直射日光や地面からの照り返し)・風速といった複数の要因が重なり、リスクは大きく変動します。

このため、環境省および気象庁ではWBGT(暑さ指数)を指標として採用し、全国の観測データを公開しています。

しかし、実際の現場では次のような課題が残っています。

  • 観測地点が遠く、現場の実態と乖離している
  • 作業責任者が常駐しておらず、即時判断ができない
  • 昼休み後など、急激なリスク上昇に気づきにくい
  • 複数現場の同時監視が困難

こうした課題を解決するために、JotsuのGPSモニタリングクラウドでは、WBGT(暑さ指数)のリアルタイム監視と自動警報通知機能を標準搭載しています。

本コラムでは、その仕組みと現場での具体的な活用方法について解説します。


1. WBGT(暑さ指数)とは

WBGT(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)は、以下の要素を総合的に評価する指標です。

  • 気温
  • 湿度
  • 輻射熱(放射熱)

これにより、「人が実際に感じる暑さ」を数値化し、熱中症リスクを評価します。

一般的にWBGTは以下の5段階で管理されます。

  • 〜21℃:安全
  • 21〜25℃:注意
  • 25〜28℃:警戒
  • 28〜31℃:厳重警戒
  • 31℃以上:危険

WBGTは単なる気温とは異なり、実際の作業環境に即した安全判断を可能にする指標です。


2. GPSクラウドのWBGT監視機能

GPSモニタリングクラウドは、LTEカメラの設置位置情報をもとに、最寄りの気象観測点からWBGTデータを自動取得し、クラウド上でリアルタイム表示します。

さらに、気温・風速・湿度・気圧といった他の気象データも同時に表示されるため、WBGT値の背景にある要因までワンクリックで確認できます。

WBGT監視の主な特長

リアルタイムWBGT表示

デバイス詳細画面に現在のWBGT値と安全レベルを大きく表示。「SAFE」「注意」「警戒」「厳重警戒」の4段階でリスクをひと目で把握できます。推奨事項も自動表示されるため、現場監督がその場で適切な指示を出せます。

3時間先までの予測値

実測値だけでなく、気象庁の予測データに基づいた3時間先までのWBGT予測値を表示します。「午後から危険レベルに達する」といった先読み判断が可能になり、朝礼時点でその日の作業計画を安全に立案できます。

自動警報メール通知

WBGTが設定した閾値を超過すると、登録された最大12名の担当者へ自動で警報メールを送信します。現場に常駐していない安全管理者や本社の管理部門にもリアルタイムで通知が届くため、遠隔からの指示出しが可能です。

きめ細かな警報制御

警報のクールダウン時間、同一条件の連続通知防止、1日あたりの上限回数、警報有効時間帯(例:06:00〜22:00)まで細かく設定可能です。不要な通知による「アラート疲れ」を防ぎ、本当に必要なタイミングで確実に通知します。

また、JMA(気象庁)が発表する気象警報・注意報も自動取得し、熱中症警戒アラートと合わせて確認できるため、豪雨や雷など複合的なリスクにも一元的に対応できます。

夏本番を前に、現場の熱中症対策を見直してみませんか。
GPSクラウドなら1台のLTEカメラでWBGT監視を即日スタートできます。

お問い合わせ・ご相談はお気軽に

3. 自動警報通知システム

JotsuのWBGT警報システムの最大の特長は、「現在値警報」と「予測値警報」の二重監視が可能な点です。

現在値警報

実際に観測されたWBGT値が設定閾値を超えた時点で即座に警報を発信します。デフォルトの閾値は環境省ガイドラインに準拠した値(注意21/警戒25/厳重警戒28/危険31)ですが、現場の作業強度や作業員の習熟度に応じて自由に調整できます。

予測値警報

気象庁の数値予報データに基づき、3時間先までのWBGTを予測し、将来のリスク上昇を事前に検知します。たとえば午前10時の時点で「13時にはWBGTが28を超える」と予測された場合、昼休み前に作業中断や涼しい時間帯へのシフトを判断できます。予測時間範囲も1〜6時間の間で調整可能です。

気象庁データ自動取得(実測+予測)
JotsuCloud(閾値比較・判定)
閾値超過を検知
最大12名へ自動メール警報
現場監督/安全管理者が即時対応

警報頻度の最適制御

警報が頻発すると「またか」と無視されるリスクがあります。JotsuのWBGT警報は、以下の制御パラメータで不要な通知を抑えます。

制御項目 デフォルト設定 効果
クールダウン時間 60分 一度警報を送信した後、一定時間は同一デバイスからの再通知を抑制
同一条件間隔 2時間 同じレベル(例:警戒→警戒)の重複通知を防止
1日あたりの上限 10回 警報の最大送信数を制限し、メール洪水を防止
警報時間帯 06:00〜22:00 夜間など作業時間外の不要な警報をカット

4. 従来の熱中症管理との比較

従来の現場安全管理では、温度計や担当者の体感に頼った方法が一般的でしたが、「リアルタイム性」「正確性」「網羅性」のいずれにも課題がありました。

比較項目 従来の熱中症管理 GPSクラウドWBGT監視
データ取得 現場に温度計設置/担当者の体感判断 最寄り観測点のWBGTを自動取得
監視頻度 1日数回のスポット確認 24時間連続監視
予測機能 天気予報を担当者が参照 3時間先のWBGTを自動予測・警報
通知範囲 現場にいる担当者のみ 最大12名へ自動メール(本社・遠隔含む)
判断基準 個人の経験・感覚に依存 数値基準(閾値)による客観的判断
複数現場管理 現場ごとに個別対応 クラウドで全拠点を一元管理
記録・証跡 手書きの作業日報が中心 WBGT履歴データを自動保存・エクスポート可
最大の違いは「客観的な数値に基づく自動監視と、遠隔からの即時対応が可能かどうか」です。

また、複数現場を管理する建設会社や製造メーカーでは、すべての現場のWBGT状況をクラウド上のダッシュボードで一覧できるため、「どの現場が今危険なのか」を本社からリアルタイムに把握し、必要な指示を迅速に出せる点も大きなメリットです。


5. 活用シーン

WBGT監視機能は、以下のような現場で特に高い効果を発揮します。

建設現場

屋外作業が中心の土木・建築現場。日射や地面の照り返しによる急激なWBGT上昇を自動検知し、休憩指示をタイムリーに発信。

製造工場

熱源設備のある工場内は、気温以上にWBGTが上昇しやすい環境。機械の発熱+換気不足によるリスクを数値で可視化。

道路・鉄道保線

広域に分散する保線作業現場。各地のWBGTをクラウドで一括把握し、遠隔地の作業班にも統一基準で安全指示を出せます。

自治体の熱中症警戒

公共施設・公園・学校グラウンド等のWBGTを監視し、熱中症警戒アラート発表時の施設利用制限判断を支援します。

メガソーラー保守

広大な敷地でのソーラーパネル保守作業。照り返しが強くWBGTが急上昇しやすい環境でも、エリアごとのリスクを遠隔監視。

学校・スポーツ施設

運動会や部活動の安全管理に。WBGTが基準を超えたら自動でメール通知し、教員・指導者が即座に活動中止を判断できます。


6. 夏本番前のチェックリスト

熱中症対策は、暑くなる前に準備を整えておくことが重要です。以下のチェックリストで、現場の準備状況をご確認ください。

熱中症対策チェック項目

  • WBGT閾値の見直し:作業強度に応じて、注意・警戒・厳重警戒の閾値を適切に設定する
  • 警報通知先の最新化:現場監督、安全管理者、本社管理部門の連絡先を登録・更新する
  • 警報時間帯の設定:実際の作業時間に合わせて、適切な時間帯(例:06:00~22:00)を設定する
  • 予測警報の有効化:3時間先までの予測値に基づく警報を有効化する
  • カメラ映像の送信確認:現場映像がクラウドに正常に送信されているか確認する
  • テストメールの送信:設定した通知先全員にテストメールが届くか確認する
  • 水分および休憩所の確保:作業エリア付近に給水ポイントおよび日陰の休憩場所を整備する
  • 作業員への周知徹底:WBGTの意味および警報時の対応ルールを周知する

7. 導入ステップ

GPSクラウドのWBGT監視は、既にLTEカメラをご利用中の場合、設定変更のみで即日ご利用いただけます。新規導入の場合も、以下のシンプルなステップで最短1日から運用を開始できます。

1 お問い合わせ・ヒアリング

対象となる現場の条件(屋外/屋内、作業時間帯、作業強度など)をヒアリングし、最適なカメラ構成およびWBGT警報設定をご提案します。

2 カメラ設置・回線開通

LTEカメラを現場に設置し、電源投入のみでクラウドへ自動接続。電源が確保できない場所でも、ソーラーパネル+蓄電池構成により対応可能です。

3 WBGT警報設定

管理画面から、以下の設定を行います。

  • WBGT閾値
  • 通知先(最大12名)
  • 警報時間帯

テスト通知で動作確認後、すぐに本番運用へ移行できます。

4 運用・改善

運用開始後は、警報履歴やWBGTデータをもとに、閾値設定や作業計画を継続的に最適化します。

導入して終わりではなく、"改善し続ける安全管理"を実現します。

まとめ

熱中症は、「気温だけでは判断できない」「気づいたときには手遅れになる」という2つのリスクを持つ、重大な労働災害要因です。

JotsuのGPSモニタリングクラウドは、以下の仕組みにより現場安全を高度化します。

従来の課題 GPSクラウドによる解決
気温や体感に頼った曖昧な判断 WBGT(気温+湿度+輻射熱)による客観的管理
スポット確認で見逃しが発生 24時間リアルタイム監視
午後の急激なリスク上昇に対応困難 3時間先の予測警報で先回り対応
現場監督不在時の対応遅れ 最大12名への自動通知で遠隔対応
複数現場の管理が困難 クラウドで一元管理
記録が残らず分析不可 WBGT履歴データの自動蓄積・分析

さらに本システムは、気象警報・注意報の自動取得、カメラ映像による遠隔確認、GNSSによる変位監視といった機能も統合されており、

熱中症対策、防災監視および現場管理をワンストップで実現します。

近年は猛暑の長期化により、従来の管理方法では対応しきれない現場が増えています。

今夏の対策を昨年と同様のままとするかどうかが、安全レベルを左右する重要な要素となります。
ニュース一覧に戻る

📩 お問い合わせ

まずは1拠点から、試験導入してみませんか?
カメラ1台からすぐに始められる手軽さで、
現場の安全レベルを大きく引き上げることが可能です。