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山体斜面の落石をカメラ一本で検知する
― センサー不要、映像のみで検知するAI監視システム ―
2026年5月21日
JOTSU株式会社は、IPカメラの映像のみで落石をリアルタイム検知する「映像のみで検知するAI落石検知システム」を開発・提供しています。
振動センサーやミリ波レーダーなど複数センサーの設置が不要。カメラ一台で検知・追跡・計測を完結させ、ダッシュボードで複数現場の一元管理を実現します。
振動センサーやミリ波レーダーなど複数センサーの設置が不要。カメラ一台で検知・追跡・計測を完結させ、ダッシュボードで複数現場の一元管理を実現します。
従来のセンサー方式が抱える限界
これまで斜面監視では、振動センサー・ミリ波レーダー・伸縮計など複数のセンサーを組み合わせる構成が一般的でした。しかし現場では次のような課題が顕在化しています。
多機器構成による設置・保守の負担
センサーごとに設置工事・配線・校正が必要で、1箇所あたりの導入コストが増大。設置後も各センサーの定期点検・故障対応が発生し、保守対象が増え続けます。
センサーだけでは「何が起きたか」が分からない
振動センサーは異常の有無を知らせることはできても、落石のサイズ・位置・数量を特定できません。原因確認には現地調査が必須となり、初動対応が遅れます。
山間部へのインフラ敷設が困難
海岸沿いの崖地やトンネル坑口付近など、商用電源・有線通信の確保が難しい現場では、センサー網の構築自体が大きな障壁となります。
悪天候時のセンサー誤検知
強風時の振動センサー誤報、降雨時のミリ波レーダーノイズなど、自然環境下ではセンサー単体の信頼性に限界があります。
カメラ一本で検知する ― 映像のみで検知するアプローチ
JOTSUのAI落石検知システムは、映像そのものを検知ソースとして扱います。IPカメラのライブ映像を国内クラウドのGPUサーバへ送信し、深層学習モデルがリアルタイムで落石を検出・追跡・計測。センサーは一切不要です。
🔍 物体検出+個別識別
AIが映像フレーム内の落石を検出し、バウンディングボックスで可視化。「#1」「#2」と識別IDを自動付与し、複数の落石を個別に管理します。径10cm以上の小落石から50cm以上の大落石まで対象範囲をカバー。
📊 軌跡追跡+移動距離計測
落石の落下経路を軌跡ラインとして描画し、移動距離をリアルタイム計測。「いつ・どこから・どの規模で落下したか」が映像と数値で記録され、危険箇所の特定に直結します。
🚨 即時アラート通知
落石を検知した瞬間にメール・SMS・Webhookで担当者へ通知。応答時間は1.5秒以内。夜間の検知にも対応し、赤外線モードで信頼度0.87以上を維持した実績があります。
☁️ 国内クラウド完結
映像送信からAI推論・データ保存・通知まで全処理を国内クラウドで完結。データの国外流出を発生させず、公共事業の情報セキュリティ要件にも適合します。
運用ダッシュボードで一元管理
複数の監視現場を1画面で把握できるWebダッシュボードを標準提供。検知状況の推移グラフ、監視エリアマップ、検知履歴テーブル、システム稼働状況をリアルタイムで確認できます。
▲ AI落石検知システム 運用ダッシュボード(検知推移・マップ・履歴・稼働状況を一画面で管理)
90%≤
晴天昼間 検知率
80%≤
夜間IR 検知率
1.5s≤
応答時間
24h
連続無人監視
センサー複合方式と映像のみで検知する方式の比較
従来
センサー複合方式
- 振動+ミリ波+カメラの多機器構成
- 設置工事・配線・校正に多大な手間
- センサー障害時の保守対象が多い
- 振動値のみでは原因が特定できない
- 悪天候時の誤検知リスクが高い
JOTSU
映像のみで検知するAI方式
- カメラのみで検知・追跡・計測を完結
- LTE+ソーラーで配線工事不要
- 保守対象はカメラと通信機のみ
- 映像で落石の規模・位置・数量を即時把握
- AIが背景ノイズを判別し誤検知を抑制
補完センサーの併用も可能
映像のみで検知するAIを基本構成としつつ、冬季の積雪・吹雪条件下では振動センサーやミリ波レーダーを補完手段として併用することで、さらに高い信頼性を確保できます。現場の気候条件に応じた最適な構成をご提案します。
適用事例:海岸沿い急峻斜面の落石監視
海岸沿いの旧道路区間における岩盤斜面落石監視への適用実績があります。急峻な岩盤斜面が連続し、落石予防金網が未設置の沢部が存在するなど、落石リスクが高い現場でのPoC(実証実験)を実施しました。
現場条件
海岸沿いの急峻な岩盤斜面/覆道(ロックシェッド)背面の斜面監視/既設の落石予防金網なしの沢部/冬季は-20℃以下の厳寒環境
適用性評価
岩盤・植生主体で動的ノイズが少ない背景条件はAI落石検知に好適と判断。1カメラで幅50〜80mの斜面を網羅可能で、深層学習による落石動体抽出に最適な画角を確保。
カメラ配置
各箇所に広角+望遠の2台ペアを配置し、死角を相互カバー。覆道天端または対面斜面側に設置し、ソーラー+蓄電池で自立電源を構成。
留意点と対策
冬季の積雪期は可視光カメラの検知精度が低下する可能性あり。降雪条件下でも検知率87%以上を確認済み。必要に応じて振動センサ等の補完手段を併用。
システム概要
| 検知対象 | 落石(小:径10〜20cm/中:20〜50cm/大:50cm以上)、土砂滑落、オーバーハング岩盤の継続監視 |
|---|---|
| 目標検知率 | 晴天昼間 ≥90%/夜間(IR)≥80%/降雨・降雪 ≥75% |
| 応答時間 | 1.5秒以内 |
| カメラ | 屋外用IPカメラ(IP66/NEMA 4X)+ソーラー+蓄電池+4G/LTE |
| 動作温度 | -40℃〜+60℃(結露防止ヒータ内蔵) |
| AI解析 | 物体検出+軌跡追跡+累積カウント(10fps)+継続学習 |
| クラウド | 国内GPUクラウド(さくらインターネット) |
| ダッシュボード | 検知推移グラフ/エリアマップ/履歴テーブル/稼働状況 |
| 通知方式 | メール/SMS/Webhook連携 |
| 保存方式 | クラウド自動保存(原映像+検出映像+メタデータ) |
| 稼働体制 | 24時間365日連続監視 |
| 設置環境 | 道路斜面・鉄道沿線・トンネル坑口・ダム周辺など |
PoCから本格導入までの流れ
PoC(実証実験)を経て検知性能を確認した上で、本格導入へ移行する標準フローをご提案します。PoC期間は6ヶ月を想定し、中間時点で初期検知性能の報告を実施。後半は冬季など季節変動評価窓を確保し、実環境下での性能を実測します。
STEP 1 現地調査(約1ヶ月)
現地踏査によるカメラ設置箇所・画角の検討、LTE電波・日照条件の確認、要件定義・基本設計書の作成
STEP 2 システム構築(約0.5ヶ月)
現場機材の調達・据付、AIモデルの合成データ生成・学習、クラウド基盤の構築・初期キャリブレーション
STEP 3 試験運用(6ヶ月)
24h連続監視の開始、検知精度モニタリング・継続チューニング、月次運用報告の実施
STEP 4 本格導入への移行
PoCの機材・AIモデルをそのまま流用。追加投資なしで月額の運用費用のみで継続利用可能
本格導入時の費用イメージ
PoCで導入したカメラ・AIモデルはそのまま継続利用可能。本格導入後は月額の通信費・クラウド解析費のみで運用できます。4台構成の場合、月額約13万円(税抜)から。追加の機材投資や設置工事は不要です。
今後の展開
本システムは落石検知にとどまらず、土砂崩れの予兆検知、斜面の微小変位モニタリング、ドローン3D点群との差分解析などへの応用を進めています。
蓄積された検出データをAIが継続学習することで、落石発生傾向の分析、降雨・季節条件と落石リスクの相関分析など、予防保全型インフラ監視への展開を進めています。道路斜面・鉄道沿線・ダム周辺・河川護岸など、幅広い社会インフラ防災分野での活用が期待されています。