画像で"答え"を出す会社

ニュース

集中豪雨時の河川水位AI監視
~ AI画像解析で増水リスクをリアルタイム監視 ~

2026年5月28日|技術コラム

はじめに

梅雨前線や線状降水帯による集中豪雨では、中小河川の水位が短時間で急激に上昇するケースが少なくない。
特に夜間や悪天候時には、現場確認そのものが危険を伴うため、避難判断や初動対応の遅れにつながることがある。

気象庁の統計では、河川氾濫による人的被害の多くが夜間に発生しているとされており、「人が現場を確認できない時間帯」における監視体制の重要性が高まっている。

一方、国土交通省によると、日本全国には約21,000の河川が存在するものの、洪水予測が実施されているのは主に一級河川を中心とした約400河川に限られている。
都道府県管理の中小河川では、水位計や監視設備が未整備の箇所も多く、水害リスク情報の空白地帯が課題となっている。

こうした背景の中、JotsuではAI画像解析とクラウド監視を組み合わせた「河川水位AI監視サービス」を提供している。

本コラムでは、中小河川監視の課題と、AI画像解析による水位監視の仕組みについて解説する。

📋 目次
  1. 中小河川の監視空白
  2. AI画像解析による水位検知の仕組み
  3. 従来の水位監視との違い
  4. 夜間・悪条件下でも継続可能な監視体制
  5. 防災情報制度の見直しと監視ニーズの拡大
  6. 活用シーン
  7. 導入ステップ
  8. まとめ

1. 中小河川の監視空白

日本の国土の約7割は山地・丘陵地であり、急傾斜地が多い。そのため、集中豪雨時には河川の水位が短時間で急激に上昇し、下流域へ大きな被害を及ぼす可能性がある。

しかし、全国約21,000の河川のうち、洪水予測が実施されているのは主に一級河川を中心とした約400河川のみである。
大多数を占める中小河川では、水位計や監視設備が未整備の箇所も多く、増水の兆候を把握できないまま氾濫に至るケースも少なくない。

特に以下のような課題が指摘されている。

指標数値出典
全国の河川数約21,000国土交通省
洪水予測を実施している河川約400国土交通省
重大リスクのある未整備中小河川約1,500PRISMプロジェクト
集中豪雨・台風期の被害発生割合約70%気象庁統計

「監視対象外=安全」と誤認されることで、避難判断の遅れや被害拡大につながる可能性もある。
中小河川における監視体制の強化は、全国的な防災課題となっている。

2. AI画像解析による水位検知の仕組み

JotsuのAI検知型クラウドサービスでは、設置したカメラ映像をAIが解析し、水位変化をリアルタイムに監視する。

検知の流れ
設置現場のカメラ(撮影) → LTE通信(映像送信) → JotsuCloud(保存・AI解析) → 異常通知 → スマートフォン/PC(遠隔確認)
🔍 バーチャル判定ライン
画面上に任意の高さで判定ラインを設定し、「注意」「警戒」「危険」など複数段階で監視可能。水面が設定ラインへ到達すると、自動でアラート通知を配信する。従来の看板や目視基準と異なり、バーチャルラインは流出や位置ズレの影響を受けず、豪雨環境下でも安定した監視を実現する。
📊 水面全域の可視化監視
一般的な水位計では、特定地点の垂直水位のみを計測する。一方、AI画像解析では、カメラ画角内の水面全体を監視できるため、流木の堆積、水面の変色、護岸付近の浸水状況なども映像で確認可能となる。「数値」だけでは把握できない現場状況を、リアルタイム映像として確認できる点が大きな特長である。
⏱ 最短30秒以内の異常通知
AIが異常を検知した場合、最短30秒以内に担当者へ通知を配信。プッシュ通知・メール・LINEなどに対応しており、スマートフォンから即座に現場映像を確認できる。夜間や遠隔地でも、迅速な初動判断を支援する。
ご相談はこちら
中小河川の監視体制強化をご検討中でしたら、お気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら AI検知クラウドサービスを見る

3. 従来の水位監視との違い

河川監視方式の違いを比較すると、AI画像監視は「現場状況を映像で把握できる」点に大きな特徴がある。

比較項目従来の水位計監視AI画像監視
監視時間24時間(水位数値のみ)24時間365日(映像+AI解析)
監視範囲1地点のみカメラ画角内の水面全体
夜間確認数値のみ映像で確認可能
流木・看板流出時監視不能の可能性バーチャルラインで継続監視
現場確認担当者による巡回が必要スマホ・PCで遠隔確認
複数河川監視個別対応クラウドで一元管理
設置条件商用電源・有線回線が必要LTE+ソーラー対応可能

最大の違いは、「水位情報のみ」ではなく、「現場状況を映像で把握できる」点にある。

4. 夜間・悪条件下でも継続可能な監視体制

集中豪雨による河川被害は、夜間や悪天候時に深刻化しやすい。

JotsuのLTEカメラは、スターライト機能により微弱な光環境でも鮮明な映像撮影が可能。
さらに、防水性能(IP67相当)により、豪雨環境下でも継続監視を実現する。

また、商用電源のない山間部や上流域では、ソーラーパネル+蓄電池構成による独立運用にも対応。
無日照環境でも7日間以上の連続稼働が可能であり、電源工事・回線工事が難しい場所でも導入しやすい。

5. 防災情報制度の見直しと監視ニーズの拡大

2026年7月には、防災気象情報体系の見直しが予定されている。
洪水関連情報の体系整理が進められる中、中小河川を含めた監視体制強化の重要性が高まっている。

警報は危険性を通知できる一方で、「現場が実際にどうなっているか」は映像による確認が不可欠である。
氾濫危険情報が発表された際、遠隔地から即座に現場状況を把握できるAI画像監視の役割は、今後さらに重要になると考えられる。

6. 活用シーン

AI画像による河川水位監視は、以下のような現場で特に高い効果を発揮する。

🏞 中小河川の増水監視
水位計未設置の河川でも、カメラ1台で増水監視を開始可能。注意・警戒・危険の各段階で自動通知を行う。
🌉 橋梁周辺の水位監視
橋脚周辺の流木堆積や護岸接近状況を映像で確認。水位情報だけでは把握できない状況判断を支援する。
🏘 市街地の浸水監視
道路冠水や地下空間への浸水状況を定点監視。タイムラプス記録により、時系列変化も確認可能。
🏗 河川工事現場の安全監視
仮締切や施工エリア周辺の水位変動を遠隔監視。作業員の安全管理と工程管理を両立する。
🏞 ダム・貯水池の越水監視
越水リスクや水位異常を常時監視。大雨時の放流判断支援にも活用可能。

7. 導入ステップ

1
STEP1:監視対象の選定
ハザードマップや過去の浸水履歴をもとに、監視対象河川を選定。
2
STEP2:現地調査
LTE電波状況、日照条件、設置位置を確認。ソーラー設置可否もあわせて調査する。
3
STEP3:PoC(試験導入)
1箇所で2〜3日間程度の検証を実施。実際の降雨環境下で検知精度を確認する。
4
STEP4:本格導入
検知ラインや通知条件を最適化し、複数拠点へ展開。
5
STEP5:運用・改善
運用履歴をもとに閾値を継続調整。雨季前点検など定期メンテナンスも実施する。
まずはお気軽に
まずは1箇所からのPoC(試験導入)も可能です。お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら

まとめ

集中豪雨による河川氾濫は、早期検知と迅速な避難判断によって被害軽減が可能である。
しかし、人が現場確認できない夜間や悪天候時こそ、監視体制の空白が発生しやすい。

従来の課題AI画像監視による解決
中小河川に水位計がないカメラ1台で監視開始可能
夜間・悪天候時の巡回が困難24時間遠隔監視
数値だけでは現場状況が分からない映像で状況確認可能
複数河川の管理負荷が高いクラウドで一元管理
看板流出・位置ズレのリスクバーチャルライン監視
現場確認に人的対応が必要アラート+映像で即時判断

AI画像監視は、人による巡回確認を補完し、中小河川における監視体制の強化を支援します。
LTE通信やソーラー電源を活用することで、これまで監視設備の設置が難しかった場所にも導入可能です。

梅雨や台風シーズンを迎える前に、河川監視体制の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

ニュース一覧に戻る

河川水位AI監視の導入をご検討中ですか?

1台のカメラから始められる河川監視。
まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ AI検知クラウドサービス