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砂防堰堤の越流・流木をAIがリアルタイム検知
~ 河川・砂防施設向けAI防災モニタリング実証デモ ~
2026年5月30日
技術コラム
はじめに
砂防堰堤(治山ダム)は、土石流や流木の流下を抑制し、下流域の人命や社会インフラを守る重要な防災施設です。
近年、豪雨災害の激甚化に伴い、出水時における越流状況や流木・土砂の堆積状況、水位変動を迅速かつ継続的に把握することの重要性が高まっています。
一方で、従来の監視手法は現地巡視や目視確認が中心であり、夜間や悪天候時の状況把握、多地点における同時監視、さらには迅速な情報共有に課題がありました。
JOTSUのAI画像監視ソリューションでは、既設のネットワークカメラ映像を活用し、クラウド上のAIが越流・流木・水位の状況をリアルタイムで自動解析します。これにより、異常の早期検知や監視業務の省力化を実現します。
本記事では、実際の河川監視カメラ映像を用いて実施した「砂防堰堤における越流・流木監視」の実証デモをご紹介いたします。
AI画像監視の仕組み
本システムは、「撮影」「解析」「通知」の3つのレイヤーで構成されています。
① 撮影 既設のネットワークカメラが砂防堰堤周辺を24時間連続で監視し、映像をクラウドへ送信します。
② 解析 クラウド上のAIが映像をリアルタイムで解析し、越流状況、流木の滞留状況、水位変動などを自動的に検知・判定します。
③ 通知 あらかじめ設定した警戒ラインや監視条件を超過した場合、管理者へ即時通知を行います。
映像解析・判定・データ蓄積はすべてクラウド上で実施されるため、現地側への高性能な演算装置の設置は不要です。既設設備を活用しながら、効率的な監視体制を構築できます。
AIが検出する対象
本実証デモでは、砂防堰堤の監視において重要となる複数の要素を同時に認識し、状況をリアルタイムで可視化しています。
AIが同時に認識する主な監視項目
- 越流検知(青) AIが越流する水流を自動認識し、越流の発生状況や変化をリアルタイムに把握します。
- 流木・漂流物検知(橙) 流木や漂流物を物体検知技術により認識し、滞留状況や数量を監視します。
- 堆積土砂検知(緑) 河床および堰堤周辺の土砂堆積領域を抽出し、堆積状況の変化を可視化します。
- 水位監視(水色・橙) 堰堤天端を基準として相対水位を算出し、水位変動を継続的に監視します。
実際の検知画面
以下は、実際の河川監視カメラ映像にAI解析を適用したリアルタイム検知画面です。
AIは越流、水位、流木および堆積状況を同時に認識し、監視対象の変化をリアルタイムで可視化します。これにより、管理者は現地へ赴くことなく状況を把握でき、迅速な判断と対応につなげることが可能となります。
アラート通知機能
水位があらかじめ設定した警戒ラインに接近、または超過した場合、システムは管理担当者へ自動的にアラートを通知します。
また、短時間に同一内容の通知が繰り返し送信されることを防ぐため、通知間隔(クールダウン時間)の設定にも対応しています。これにより、運用負荷を抑えながら効率的な監視体制を実現します。
デモ・検証のご案内
実際のAI検知デモ画面のご閲覧や、お客様の現場映像を用いた検証をご希望の場合は、お気軽におお問い合わせください。
本システムの特長
既設カメラをそのまま活用
新たな専用センサーや計測機器の設置は不要です。既設のネットワークカメラ映像を利用してAI解析を行うため、導入コストを抑えながら監視機能を強化できます。
複数の監視対象を同時検知
越流、流木・漂流物、堆積土砂、水位などを1つの映像から同時に認識し、リアルタイムで監視します。
クラウドによる一元管理
検出結果や監視データはクラウド上に蓄積されます。水位推移や検知履歴の確認に加え、CSV形式でのデータ出力にも対応しています。
画像付きアラート通知
異常を検知した際には、検出画像を添付した通知をメール等で配信します。管理者は現場状況を迅速に把握し、適切な対応判断を行うことができます。
従来方式との比較
| 項目 | 従来の現地巡視 | JOTSU AI画像監視 |
|---|---|---|
| 監視体制 | 巡視時のみの確認 | 24時間365日の遠隔監視 |
| 越流状況の把握 | 目視・経験に依存 | AIによる自動検知・可視化 |
| 流木・漂流物の確認 | 現地確認が必要 | 自動検知・件数把握 |
| 水位管理 | 写真・手書き記録 | 自動記録・グラフ化 |
| 異常時対応 | 巡視後の報告 | リアルタイム通知 |
| 多地点監視 | 人員増加が必要 | クラウドで一元管理 |
まとめ
JOTSUのAI画像監視は、既設カメラの映像を活用し、砂防堰堤や河川における越流、流木、水位の状況をリアルタイムに把握できる防災監視ソリューションです。
従来の現地巡視では難しかった24時間連続監視や、複数地点の同時監視を実現し、「見える化」と「早期検知」を支援します。
また、AI画像解析とクラウド技術を組み合わせることで、目視確認への依存や記録業務の負担を軽減し、より効率的な河川・砂防施設の維持管理に貢献します。
出水期や台風シーズンに向けた監視体制の強化をご検討中の自治体様、河川管理者様、インフラ管理事業者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
※ 本記事に掲載している検知画面および数値は、実際の河川監視カメラ映像を用いたAI解析の実証デモに基づく表示例です。監視条件や警戒ラインの設定内容は、現場環境や運用要件に応じて調整可能です。