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AI画像解析による河川水位の「デジタル計測」
~ 既設カメラを活用し、センサー不要でリアルタイム水位監視を実現 ~
自動アノテーション技術により現場ごとに最適化、最短即日で運用開始

2026年7月30日

技術コラム

はじめに

河川や渓流の水位監視は、防災対策や工事現場の安全管理において欠かせない重要な情報です。

従来は、量水標の目視確認や現地巡視によって水位を把握するケースが多く、夜間や悪天候時の確認、多地点の同時監視、記録の自動化といった面で課題がありました。

JOTSUのAI画像監視ソリューションでは、既設のネットワークカメラ映像をそのまま活用し、AIが水面をリアルタイムに認識・数値化する「デジタル水位計測」を実現します。専用の水位センサーを新設することなく、映像から直接水位を見える化できるため、導入コストや設置工数を抑えながら監視の自動化を図ることが可能です。

本記事では、AIによる水面検出、画面上に設定した標尺(目盛)からの相対水位の自動読み取り、さらに現場ごとにAIモデルを最適化する自動アノテーション技術による高速な立ち上げについてご紹介します。

デジタル水位計測の仕組み

本システムは、「撮影」「AI解析」「数値化・通知」の3つのレイヤーで構成されています。

既設カメラが水面を定点撮影
クラウドAIが水面を検出し標尺を自動読取
警戒水位の超過を即座に通知

① 撮影 既設のネットワークカメラが、河川や水路などの対象水面を定点で連続撮影し、映像をクラウドへ送信します。専用の水位センサーを追加設置する必要はなく、既存設備をそのまま活用できます。

② AI解析 クラウド上で動作する深層学習(ディープラーニング)モデルが、映像から水面領域を抽出し、水面線(水際)の位置をリアルタイムに判定します。波や反射、照明変化などの影響を低減しながら、継続的に水位変化を追従します。

③ 数値化・通知 検出した水面線を、画面上に設定した標尺(目盛)に対する相対水位として自動的に数値化します。あらかじめ設定した警戒水位・注意水位を超過した場合は、管理者へ即時に通知を行います。

映像解析・数値化・データ蓄積はすべてクラウド上で行うため、現地側に高性能な演算装置を設置する必要はありません。

画面上の「標尺」を用いた自動読み取り

本システムの特長は、現地の岩や護岸、構造物などを基準として、画面上に目盛(標尺)を自由に設定できる点にあります。AIが検出した水面線を、この標尺上の相対値として自動的に読み取ります。

水位が上昇すると表示値は大きくなり、水位が低下すると小さくなります。

監視画面には、水面領域・水面線・標尺・現在の水位値 がリアルタイムに重ねて表示されるため、水位の変化を「映像」と「数値」の両方で直感的に把握できます。

AIによる水面検出フレーム — 水面領域と水面線を自動抽出し、左側の標尺に現在水位を自動読取
AI検出フレーム:水面領域(緑)・水面線(白)を自動抽出し、左側の標尺(目盛)に現在水位を自動読取。琥珀色の指針と数値がリアルタイムの読値を示します。
標尺の設定画面 — 上端・下端をドラッグして目盛の範囲を合わせる
標尺の設定画面:上端・下端の線をドラッグして目盛の範囲を合わせ、目盛値を入力するだけ。以降はAIが自動で読み取ります。

現場最適化AIと高速な立ち上げ

屋外の水面は、日射や逆光、夜間照明、水の濁り、波立ち、さらには背景となる岩や植生など、現場ごとに条件が大きく異なります。

そのため、汎用的なAIモデルだけでは、すべての現場で安定した高精度検出を実現することが困難です。

JOTSUのシステムでは、各監視地点の映像特性に合わせて専用のAIモデルを生成し、現場環境に最適化します。

自動アノテーション技術による効率的な学習

この現場最適化を支えるのが、JOTSUの自動アノテーション技術です。

従来、AIモデルの学習には、水面領域を人手で一枚ずつラベル付けする「教師データ作成」が必要であり、多くの時間と作業工数を要していました。

本技術では、現地カメラの映像から水面候補領域を自動抽出し、教師データ生成を大幅に効率化します。さらに、生成したデータを用いて専用モデルの学習・調整までを一連の処理として実行します。

現地カメラの画角を固定
独自AIが現地映像を自動ラベリング
現場専用モデルを自動学習
クラウドへ配信・監視開始

この仕組みにより、現地カメラの設置と画角固定が完了すれば、運用開始まで最短即日での立ち上げが可能です。

また、運用開始後も蓄積された映像データを活用してモデルを継続的に更新し、天候や季節変化に対する検出精度の向上を図ります。

たとえば、降雨による濁水、朝夕の逆光、植生の繁茂、積雪や落葉など、長期運用で生じる環境変化にも段階的に適応していきます。

高速立ち上げのポイント

  • 既設のネットワークカメラを活用し、新規センサーの設置は不要
  • 独自の自動アノテーション技術で教師データ作成を自動化
  • 現場専用モデルを自動生成し、その環境に最適化
  • 解析はクラウド側で完結し、現地に演算機器が不要

主な技術指標

99%
水面抽出精度
(実証デモ)
30
検出更新間隔
(調整可)
90
データ保存
/CSV出力
即日
現地立ち上げ
(最短)

検出更新間隔・警戒水位・通知先・監視時間帯などは、現場環境や運用要件に応じて画面上から設定・調整いただけます。

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従来方式との比較

項目従来の目視・巡視JOTSU AIデジタル水位計測
監視体制巡視時のみの確認24時間の遠隔監視
水位の把握量水標の目視AIが標尺へ自動読取・数値化
記録写真・手書き記録自動記録・グラフ化・CSV出力
異常時対応巡視後の報告警戒水位超過で即時通知
専用機器水位センサーの新設既設カメラを活用・新設不要
立ち上げ設置工事に日数自動アノテーションで最短即日

本システムの特長

現場最適化AI × 自動アノテーション

独自の自動アノテーション技術で現場専用モデルを自動生成。人手のラベル付けを介さず、最短即日で高精度な現地適応を実現します。

標尺への自動読取

画面上に設定した目盛(標尺)へ、AIが検出した水面線を相対水位として自動で読み取り。数値で直感的に把握できます。

クラウドによる一元管理

検出結果や水位推移はクラウドに蓄積。履歴確認やCSV出力に対応し、複数地点をまとめて管理できます。

画像付きアラート通知

警戒水位の超過時には、検出画像を添付した通知を配信。現場状況を迅速に把握し、対応判断につなげられます。

まとめ

JOTSUのAIデジタル水位計測は、既設のネットワークカメラ映像を活用し、河川・渓流・水路などの水位をリアルタイムに「見える化」する監視ソリューションです。

画面上に設定した標尺をAIが自動的に読み取ることで、専用の水位センサーを新設することなく、水位変化を数値として把握できます。

さらに、自動アノテーション技術を活用して現場ごとにAIモデルを最適化し、短期間での導入・運用開始を可能にします。これにより、従来の目視確認や巡視では難しかった24時間連続監視、多地点の同時監視、履歴データの自動蓄積を、低コストかつ効率的に実現できます。

JOTSUでは、河川監視、渓流監視、工事現場の安全管理、インフラ維持管理など、さまざまな用途に応じた構成をご提案しています。

河川・渓流・工事現場の水位監視体制の強化をご検討中の自治体様、建設事業者様、インフラ管理事業者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

ご注意

  • 本記事に掲載している検知画面および数値は、実際のカメラ映像を用いたAI解析の実証デモに基づく表示例です。
  • 本システムで表示される水位は、画面上の標尺に対する相対値であり、実際の標高(m)として運用する場合には、現地での基準設定および校正が必要です。
  • また、検出精度はカメラ設置条件、照明環境、気象条件、水面状態などにより変動する場合があります。
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